09-20 Sat , 2008
正常と異常
わたしが同性愛者だって気がついた頃に、盛んに友人と議論していたことがある(あ、メールで(^^;)。それは「正常と異常というのは一体なんぞや?」ということだったんだけど、そのメールは学校つーか、研究室つーか、あの当時は電算機室のPCでやりとりしてたんで、もうそのやりとりは残っていない。んー、向こうにはわたしが同性愛者だってことは一つも言わなかったし、向こうは向こうで人とはちょっと違う面を持っていたんで、まー、そっから話は始まったんだと思う。その友人つーのは、高校んときの友達なんだけど。今はもう付き合いのない友達だ。

辞書で「正常」を調べてみると(新明解国語辞典第二版、以下、すべて同じ)「普通・(いつも)と同じで、変わったところがない様子。」と書いてある。で、反対語として「異常」と書いてある。で「異常」を引くと「普通ではな・い(くて、どこか変わったところが有る)様子。」と書いてあって、反対語として「正常」と書いてある。

そして「普通」という言葉を引いてみると「どこにでも・(いつでも)あって、珍しく・(変わってい)ない様子。」と書いてある。で、反対語として「特別」と書いてある。で「特別」を引いてみると「普通一般のものと同じ扱いができない様子。」と書いてあるが、その反対語は何も書いていない。

「変わる」で引くと「1.状態、位置が前と違ったものになる。2.一般的な状態と違う」と書いてある。この場合、到底1.とは考えられないから、2.ということになる。で「一般的」を引いてみると「特に一部の物事だけを取り上げるのではなく、対象全体を取り上げて考える様子。」と書いてある。

これらすべてについて考えてみると「異常」という言葉は「普通(=どこにでも、いつでもある)でない、一般的な状態(=対象全体を取り上げて考えること)とは違う様子。」ということになり、この中には実は否定的な意味は含まれていない。「普通」の「いつでもある」というのは、要するに「数が多い」ってことで、「普通じゃない」ってことは「数が少ない」という意味だけである。そう、正常と異常って、実は数が多いか少ないか、だけの問題なんだよね。

それが、例えばわたしが同性愛者という理由で、人から面と向かって「あなたは異常ですね」と言われるとする。確かに「異常=数が少ない」で、同性愛者は異性愛者より数が少ないから、その通りではある。しかし、わたしが人からそれを面と向かって言われるのならば、わたしは否定はしないが怒る。それはどうしても「異常」の中に「否定的な意味」が含まれている、と考えてしまうからだ。

大学時代のメールのやりとりは、もうほとんど覚えていないが「異常と言われても、それは数が少ない、と言うだけで否定的な意味を含まないんだよね」と書いた記憶はある。わたしはあのとき、何が言いたかったんだろうか。わたしは自分が同性愛者であることについては悩まなかった。しかし、その一方、やはり辞書でいろいろ調べたりしていたのだ。ま、わたしの持っている辞書には「同性愛は性倒錯」とも「変態性欲」とも書いてなかったが、やはり「異常」だと思っていたから「異常」に対して「異常」に敏感だったのだと思う。

ちなみに「倒錯」という言葉は「正しい順序と正反対になること。また、そうすること」と書いてあり、今度は「正しい」という言葉が出てくる。「正しい」には「1.道理・法にあっている様子だ。2.真理・事実に合っていて、偽りや間違いがない。3.基準にあって入る様子だ。4.形がゆがんだり、曲がったりしないで整っている様子だ。」とあるので「正しい順序と正反対になること」は要するに「正しくない順序になること」なわけで、これは「間違っていること」を指すことになる。だから「性倒錯」は「間違っている性的な関係」なわけで、間違っているのならば正さないといけない、というのが、まぁアメリカでは'77年まで、世界的にも'90年までの認識だったのだろう。

「同性愛者は異性愛者に比べて数が少ないから異常である」ということは、多分正しい。しかし、その中にわたしはどうしても「だから存在してはいけない」という意味合いを同時に感じてしまう。それは多分、健康診断などで「異常」という結果が出たら、それをなんとかして「正常に戻そう」とか「異常である原因は何か」を突き止めるとか、「異常な状態のままではよくない」と思ってしまうことと関係があり、「異常」に対して否定的なニュアンスが含まれてしまうので、面と向かって「あなたは異常ですね」と言われると腹が立つのだと思う。相手がいくら「否定的な意味は入ってなく、純粋な意味での『異常』です」と言われても、やっぱり腹が立つ。というか、だいたい「異常」という言葉を使うってことは、否定的な意味を含んで言ってると思うんだけどね、言ってる方も。ま、それを敢えて「本来の意味」に取ってみる。

そうすると「同性愛は異常ですが何か?」と言うことになる。「ええ、数は少ないですよ、異性愛者より。でもそれがなんなのですか?」と逆に問うてみる。「異常だったらなんなのですか?」と聞く。「異常なことは悪いことではありませんよね?」と言う。「なんだったら辞書を引いてみたら如何ですか。異常という言葉には否定的な意味は存在しませんよ」と言ってみる。

。。。なんか性格悪い?(笑)

しかし、実際の世の中はこんなに甘くはないんだな。「正常」と「異常」の間にはなぜか「差別」というものが存在しているから。そして自分を「正常(普通)」だと思っている人間は「無意識に」差別してくるから怖い。その「無意識にしている差別」を「あなたは実は差別をしているんですよ」と認識させることができるか、ここのところが、今後の課題ではあるんだよな。そしておそらくその「差別」には気がついていて、しかしそれに対して開き直っている人間に対して、何をどうやって説明すればいいのか。これについては、前者よりだいぶ難しいだろうけれど、これも今後の課題ではあるんだよな。

今日はなんかメモ的な日記だったな。
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