07-18 Fri , 2008
再び、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭に行ってきた
今日から、青山のスパイラルホールの方で「第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」が始まった。

っていうか、わたしたちは今日、特に行く気はなくて、明日からのつもりだったんだけど、こないだ「バルト9」で知り合いに会い「『スコットと朝食を』は面白かったよ~」って聞いたので、んじゃ行こうか、ってことになったのだ。そして、なんだか分からないけど、マイミクさんの日記で「スコットと朝食を」の前に「フリーヘルド」が上映されることを知り、んで「じゃ、ついでにこれも観ようか」ってんで、急遽行くことになった。あ、この「フリーヘルド」は20日に「不思議の国の女たち」というのと同時上映されるので、それを観に行く予定の人は、この先はネタバレに付き、読まない方がいい。

この「フリーヘルド」、ノンフィクションもので、アメリカのニュージャージー州にオーシャン郡ってところがあるらしいんだけど、そこで24年間、州の警察官をやっていたローレルっていうレズビアンの人が末期の肺ガンにかかり、そのパートナーに「遺族年金」を与える権利を求めて郡の財務委員会と何度も協議した上で、最終的にはその権利を勝ち取る、というもの。

もうねー、なんというか。。ノンフィクションものということで、演技じゃないんだよね。そして作られた「物語」でもない。涙は出なかったけど、途中で何度も泣きそうにはなった。

郡の財務委員会の人たちは、全会一致で物事を決めるそうだが、そのうちの数人が「同性パートナーは婚姻していない」ことを理由に、ローレルのパートナーであるステイシーへの遺族年金の受給を認めない。ニュージャージー州自体は、同性へのパートナーシップ法がある州だ。が、ここんとこ、アメリカの制度だからよく分からないんだけど、遺族年金を受給できるかどうかは郡の財務委員会が決めるみたいなんだよね。で、最初は「前例がないから」で拒否されるんだけど、ローレルの警察官時代の同僚や上司が、彼女が今までどんなに州の警察官として活躍してきたか、財務委員の前で述べるわけ。それに加え、ゲイのアクティビスト(多分ね。英語だったんで、よく分からなかったけど)とかも「異性には認められるのに、同じように暮らしている同性パートナーに適用されないのはおかしい」と言う。同僚の一人は「自分は今まで、共和党支持だったし、同性愛者の人権や権利についてはまったく考えたことがなかった」と語っていた。そういう彼らが「わたしたちは正義を求める」と言い、財務委員に迫る。

一方、ローレルとステイシーのカップルの日常も写しだされるんだけど。。これ、なんかね、レズビアンカップルだからか、自分たちを重ねてしまって、仕方がなかった。ローレルは最初のうちはまだ比較的元気で、髪の毛も生えていて声も出てるんだけど、次第に髪の毛が抜けていくのね。で、思い切ってバリカンで頭を剃ることにしたんだけど、彼女のパートナーも一緒に頭の毛を剃るの。でね、ローレルが「あなたと出会ったとき、あなたはこんなに短い髪型だったわね。こういう髪型、好きよ」って言うんだよ。わたしさぁ、今、髪の毛結構短く切ってて、彼女から「ろんたこ、その髪型似合うよ、いいよ」って言われてるんだよね。そういうのが重なったり、二人のシーンはとにかく、自分たちと重ね合わせることができてしまうので、もう何度も泣きそうに。。

そして、ローレルはどんどん弱っていき、でも財務委員に言うことがあるというんで、ビデオ録画するんだけどさ、本当に息が苦しそうで、ぜいぜいしてて、パートナーが「苦しかったら止めてもいいんだよ」って言うのに言うんだよね。パートナーに遺族年金を受給させるために。

で、そうこうしているうちに、ニュージャージー州のいくつかの郡が同性パートナーに対しての遺族年金受給を次々と認め始めるんだけど、このオーシャン郡だけは「婚姻法」を楯にとって認めない。財務委員の一人は「自分も叔母を同じ肺ガンでなくしているので気持ちはよく分かるが、個人的なことで選択権を与えることはできない」って言うんだよ。

でもさ、わたしはここで「じゃあ、法律や規則は誰の、何のためにあるんだよ!!」ってその場で叫びたかった。異性愛者にせよ、同性愛者にせよ、行き着くところは個人じゃないか。異性愛者は婚姻できる、それだけで遺族年金が(自動的に、っていうと変だけど)受給できる。けど、同性愛者はそれができない。それが問題なんであって、これは一体「個人的な問題」なのかよ、ってね。

彼女の同僚やあと、ニュースにもいろいろなったんだろう。街中が「彼女たちに対して正義を求める」という意思表示をし始め、そして州知事からもこの件に対して電話が財務委員のところにかかってくる。彼女の命ももう長くない、ということもあっただろう。そして郡財務委員会は臨時に関係者を招集する。そこにはもう車いすに座って酸素ボンベを吸入しながらヨレヨレになったローレルの姿もあった。ただ、一人、「婚姻は男女のものである」と強硬に言い張っていた一人の委員だけは欠席する。そして、委員会が始まり「選択権を与えるかどうか」について、一人一人の答えを聞く。結果はすべて「Yes」。こうしてパートナーへの遺族年金が受給されることに決まった。

カメラは郡の財務委員の話を聞こうとするが、それはすべて拒否された、と言うことだった。そして「アメリカでは10万組(だったかなあ~?)の同性パートナーがいるが、彼らには未だに(ローレルが亡くなってから9ヶ月後)遺族年金の受給の資格がない」という字幕で終わる。

でもね、わたしはそれを見て「日本になんか一組もいないよ」って思ったよ。アメリカと日本は多分、根本的に遺族年金の制度が違っているから何とも言えないんだけど、少なくとも同性カップルは社会的になんの権利もない。ただ、個人個人が一緒に暮らしている、それだけだ。何十年一緒にいようとね。そして日本の場合、まさか県単位で「婚姻を認める」わけにはいかないので、やっぱ変えるとすると国から変えなければいけない。もちろん日本はアメリカと比べて遅れているのは分かってるけど、やっぱねー、なんで同じ地球上のことなのに、違うのかなって思うよ。まぁそれを言うと、一方で同性愛行為を行なったというだけで逮捕されてしまう国もあるのは事実だけれど。

あと思ったのは、同僚が証言で彼女のことをどんなに優秀な警官だったかを述べるんだけど、これがもし、優秀じゃなかったらどうなったんだろう、中で「銃の扱い方が男性よりも上手く、男性が嫉妬するほどだった」って言ってたけど、もしそうじゃなかったらどうなったんだろう。それは彼女への誉め言葉ではあるかも知れないけれど、じゃあ、彼女が人並みの警官だったら、同僚は証言もしないし、他の人も応援しないのだろうか、とそんなことを思ったりした。こういう権利を勝ち取れる人は、他の人よりも優秀で、人一倍頑張る人じゃないと無理なんだろうか、と。そこのところがちょっと複雑な気分がしたかな。わたしはとうに頑張るのを諦めている人間だからさ。

たった40分しかないドキュメンタリーだったが、ずっしりと重みのある映画だった。

一方、面白いよと言われて観た「スコットと朝食を」だが、んー、わたし、1回でその映画をすべて理解できる人間じゃないってことを忘れてた(苦笑)なんかさ、出てくる人が多くって「この人誰だっけ?」とか思ってたら、話の筋が分かんなくなってた(苦笑)これは「フリーヘルド」と違って、普通の「創作映画」(って言うのかな、フィクション映画って言うのかな)だからか、前の映画がずっしりした分、なんか軽くてね(当たり前だけど)。

ただこれはカナダ映画なんだけど、カナダは同性婚できる国にもかかわらず、アイスホッケー選手を引退後、キャスターをしているってことからか、公にはカミングアウトしてないゲイでね。「あー、そういうこともあるんだな」って思った。だけど、公にしてないと思ってるのは本人だけで、本当はバレバレだった、って話なんだけどね(笑)結局あのスコットはあのまま育ってゲイになる(というと変な言い方だけど)んだろうか、とか、いやそれともMtFかなとか、まぁいろいろ考えもしないでもないが、「子供は大嫌いだ」と言い張り、パートナーの兄の子供を引き取っても「自分は関わらない」つもりが、そうはいかなくなって。。。そんで結局離れられなくなって。。という結構「分かりやすい話」ではあった(って、大筋は分かるのよ。細かいところが理解できなかったの!!(苦笑))あと、ゲイ映画にしては、一切SEXシーンもなかったし、最後の最後、ようやく二人で肩抱き合ってキスする(人前でね)、って、なんてーのかな、この人たち、子供が来る前は一体、二人でどんな生活してたのかしら?なんて思ってしまった。だって、二人きりのシーンでも、全然カップルって感じがしなかったんだもの。

多分、こういうのが今時の「商業映画」なんだろうなーって思った。まぁこういうのも一つは観ておいてもよかったかな?って感じかな。。

しかし、人(しかも外国人)がたくさん出てくる映画を観ると、わけわかんなくなるってこと、すっかり忘れてた。明日からが不安だ。。(苦笑)

テーマ:同性愛 - ジャンル:日記

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