11-14 Mon , 2005
違和感
昨日、「卒業まで死にません」の感想を書くか書かないか分からない、と書いたが、この本を読み終わってどうも違和感が生じてきたので、ちょっとそれを書いてみたいと思う。

まずタイトルの「卒業まで死にません」についてだが、最後に婚約者に託したという4編の詩を読むと、確かに彼女は死にたい、死ぬつもりで書いたと言うことが分かるのだが、本文の日記を読む限り、死にたいと思っていたとは到底思えないのだ。(本にはこの題名をつけたのは日記に「卒業まで死にません」と言う記述が何度かあったと書かれていたが、本に収録されている日記にはそのことは一つも触れていない)卒業までの数ヶ月間、彼女は薬を飲んでは眠り、また薬を飲まなくても眠り、学校へ行き、友達と遊んだり、カラオケで3時間も4時間も歌ったりする。そこには深い絶望感も死に対する欲求も描かれてはいない。(まあ友達と遊びまくるということが深い絶望感につながっていると考えたら考えられるが)3月17日で彼女の日記は終わっている。しかし最後まで彼女は死にたいと考えていたとは思えないのだ。確かに2月に1度、父親と言い合いになり、ビルから飛び降りようとしたことが書かれている。しかしそのことよりも、飲みたい薬を飲みたいだけ飲んで、寝る。自分の欲しい薬をどうやって手に入れようか、どう医者に説明すればそれが手に入るか、薬を処方してもらい、容器に入らなくなるまで薬をため込む。それが死とつながっているのか。

解説に香山リカが書いている。もし自分が彼女の担当医だったら、と。「表情は豊かで疎通性は良好、話にもまとまりがあり、奇異なところはない。言語化の能力は高い、自分をある程度、客観視できるようだ」そして彼女には「南条さんは自分のことをきちんと言葉で語れる人のようですね。理解力も高いみたいだし。では、これからあなたの話を手がかりに、一緒にどこに問題があるかをさぐってみましょう。ここでは思ったことを何でも話して下さいね」と話すだろう、と。しかしこの時点で自分は一つの失敗をしている、と。彼女にそれを言うことで「相手が自分に何を期待しているかを素早く察知し、それに合わせて行動してしまうようなタイプです。わたしがこう告げたことにより彼女は『理知的で話し上手な女の子』の役割をいやでも演じなければならなくなるのです」と。

そうなのだ。彼女はきっとネットで自分の日記を発表することになってから、ネットアイドルを演じつづけたのだ。そして現代のちょっとイカれた女子高生を演じ続けたのだ。わたしにはそうとしか思えない。彼女は自分の日記でさえ、自分の本当の思いをつづることはできなかったのではないか、と。

しかし、わたしからすると彼女はどうしても鬱病だったとは思えない。(本にも彼女が鬱病だったとは書かれていないが)どちらかというと人格障害だったのではないか。リストカッターだったというのもそれを物語っている。リストカッターと自殺志願者は違う。リストカッターはどちらかというと自分を傷つけて、自分が生きている証拠である赤い血を見て安心する、また、他人にその傷をわざと見せるために行う。自殺したいのなら、静脈ではなく、動脈を切るだろう。現にわたしが最も病状が悪かったとき、首の頸動脈を切りたいと思っていた。車が急に自分めがけて飛び込んできて死ねないかな、と思っていた。自分がこの世にいることが許せない気がした。とにかくどんな方法でもいいから死にたかった。(薬を貯めてまで死にたいとは思わなかったけどね。どうせ薬を大量服薬しても死ねないのは目に見えてるし)

それがどうして彼女は死んでしまったのだろう。本当に彼女は死にたかったのか。そこのところがどうしてもわたしには分からない。そしてこの本を読んだあとに違和感が残ったのだ。

ちなみに彼女は寝るために実にいろいろな薬を自分でチョイスして飲んでいる。そしてそれはとてつもなく効くのだが、実は薬を飲まなくても眠れている。現在、早朝覚醒で悩んでいるわたしにとってそれだけ眠れる彼女はとてもうらやましいし、彼女は本当に薬を飲む必要があったのかなと思っている。

その眠れないわたし。今日は2時半に目が覚めてトイレに行った。「トイレに行ったら眠れない法則」に従って、追加の睡眠剤を飲んだがはっきり言ってその後はほとんど眠れなかった。わたしにとって、今の一番の悩みはこの早朝覚醒であり、これさえよくなればほとんど病気が治ったのと同然だろう。(もちろんまだまだ薬は飲み続けなければならないことは確かだが)ああ、6~7時間続けて眠ってみたい。。
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