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11-16 Wed , 2005
となり町戦争
いや~、びっくりしましたね。著者が男か女か分からず、googleで「となりまち戦争」と検索したらざくざくと本の感想が。ま、文学賞取ったから当たり前かも知れないけど。それを読むと自分の感想が書けなくなっちゃうから、全然読みませんでした。だから男なのか女なのか未だに分からず。男だって言う話もあるけど。

ま、それはともかくとして本の感想だが、一番最初読んだとき、最後までどうなるんだろうと思って眠らさなかっただけに面白い本の部類には入るんだろうが、よく読むとやっぱり分からないところがいくつか。気に入らなかったところがいくつか。逆によく書けていると思うところもいくつか。

まず本人が公務員だけあってよくかけているなあと思ったのは、辞令交付式の場面。あれって本当に仰々しいお盆に乗せて辞令を運んでくるのよね。また、立ち位置の描写なんておかしすぎて笑ってしまった。ああいう些細なところにこだわるのがお役所なのよね。また、役所から来た文章、辞令等がそのまま載っかっているのもリアリティ十分。

それから「なぜ戦争をしなければならないか」についての説明。あくまでも「殺人」でなく、「今後の町の発展のため、今後の行政のあり方を見据えての戦争で殺人ではない」という姿勢を崩さない。主人公は一貫して「なぜ戦争をしなければならないのか」にこだわり、役人であり、偽装結婚(?)までさせられた香西さんに「役人としてでなく個人としての戦争とは」を突きつける。役人としての仕事と個人としての考えは違う、ということを役人自身が持っていることがある、という一種の「つらさ」が共感できる。

また、地元説明会のとき。区長に先に根回ししておいた部分は非常に笑える。役所の会議ってめちゃくちゃにならないように、最初に重要な人に会議の「落としどころ」を説明しておくんだよね。で、結局「もう戦争をやることに決まっているんだ」の一言で地元説明会が終わってしまう。あとでお礼を言うところなんかもうブラックジョーク以外の何者でもない。

あとは業務分担表を作って主担当と副担当を決めるシーンとか、取得実績のためだけに家族経営をしているところでも登録業者であれば入札してくること、について役人があれこれ言うシーンがとても「お役所的」で笑えた。

次に読んでいてよく分からなかった部分。主人公は一貫して「この戦争になんの意味があるのか」を問い続ける。「なぜとなり町と戦争をしなければならないのか」にこだわる。となり町からの戦争公社の査察を逃れるためにいろんな指示に従い、いろんなところに行き、いろんなところに連れて行かれる。しかしそれには主人公は戦争のリアリティを感じることができない。ようやくリアリティに感じることができたのは、香西さんが何かを失いかけているかも知れないと思った部分と自分が香西さんを失う部分、この著者は「戦争とは失うこと」だと結論づけたかったのか。

また、些細な部分では主人公を自分の町まで送り届ける車はなんだったのか。本で香西さんは町職労の関連労の青年部に協力してもらうとあるが、果たして主人公の乗った車の運転者と補助席に座っているものはその者だったのか。町職労の青年部はとなり町の青年部だったのか(どうかんがえても舞阪町の青年部ではないよなあ)、また段ボールに入った遺体を受け取るとき、どうかんがえても主人公の会社の主任だったということ(なぜ敵と味方が一緒になってんの?)、自分の家が戦争公社によって査察を受けたとき唯一なくなっていたものは「闘争心育成樹」だけだったが、それがどうして最後に香西さんから返されたのか(香西さんは家に帰らないと育成樹を取れないし、またなぜその育成樹だけを持って行ったのか)、そこのところが説明不十分でちょっと分かりづらかった、というか分からなかった。

あと、気に入らなかった部分は、香西さんが主人公と業務とはいえSEXするところ。あれは主人公が戦争をリアルに感じることができることへの伏線、香西さんを失いたくないと思いはじめる伏線の一部だと思うが、業務で結婚したとはいえ、そこまでやる必要があるのか。SEXとはそういうものなのか。そういう伏線の張り方しかなかったのか。男女のSEXを知らない、本当に好きな人としかSEXをやりたくないわたしにとって、そこのところが少し理解できなかった。

とまあ、褒めるよりけなした方が多い感想だったが、それはわたし自身が無理のない伏線の張り方、小説の結論を求める、という読み方しかできないためであって、それを考えると気楽に読める小説、くらいの評価かなぁ。。しかしモノが戦争のためにそう気楽に読めた、ということもないんだけど。うん、やっぱり一番大切な主人公の戦争への思いがよく分からなかった、という部分でちょっとイマイチ、という評価にしておこう。
07:48 | (一般)本のこと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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