02-12 Fri , 2016
God Bless Baseball(作・演出:岡田利規)
20151129 155134


これまた去年の11月の話。
てか、11月の話、どのくらい溜め込んでたんだっていう。。
(それもこれも結局は画像処理がネックだったってことで)

題名の「God Bless Baseball」というのは、演劇です。
これ、作った人は「日韓関係」を描きたかったみたいです。
といっても、いわゆる「歴史問題」とこの作品は全く関係がないです。
「野球」というものを通して、日韓とそしてアメリカ、の関係を描いてます。
どちらかというと、わたしは「日韓関係」というより「アメリカ」と「日韓」の関係を描いた作品だと思いました。

てか、わたしは大学生の頃、友だちがある小劇団(といってもかなり有名だった。今でもその劇団はあるみたい)に入ってて、
友だちに「今度これやるから観に来て」と言われては、
別の友だちと連れだって下北沢までよく観に行ったものだった。

その劇は、解釈が難解で、正直「結局この劇は何が言いたかったのだろう?」というものばかりだったが、
しかし、何が何だかよく分からないけど、なんとなく考えさせられることが面白かった。

この「God Bless Baseball」もちょっとそんな香りのする演劇だった。
とはいえ、そんなに難解な劇でもなかったとは思ってるけど。

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いつのことだったかは忘れたが、偶然、豊島区の中央図書館のある建物の前を通ってたときだった。
建物の前の柱に、この「God Bless Baseball」のでっかいポスターが貼ってあった。
それに気が付いて「へー、こんなのやるんだ、面白そうだな」って思ったが、結構高かったので最初は観に行かないつもりだった。
が、とてもとても気になった。第一、わたしは根っからの野球好き。
野球好きといっても、日本の野球にしか興味はなく、大リーグは全く興味が無いし、
韓国の野球については、若干興味があって、'90年代によく買ってた「週刊ベースボール」の中に
今は知らないが、その当時は1ページずつ韓国の職業野球、台湾の職業野球のページがあり、
それはわけが分からないながらも毎回読んでいた。だから、その当時、韓国にどういう名前のチームがあるか、くらいは知っていた。まぁそんな程度の野球好き。

しかし、この作者は野球は好きじゃないという。
一体、どういう視線で野球が描かれるのか。
それにとても興味があった。

すごくすごく考えて、そして「やっぱり観に行こう」って思った。
だって、映画だったらリバイバルの可能性はあるけど、
演劇って、多分ほとんど可能性はない。
あとで「やっぱり観に行けばよかった」って後悔するのが嫌だったから。

演劇に関して、どこまでネタばらしをしていいのかはよく分からない。
いつ、どこでこの劇がまた再演されるか分からない。
しかも、この劇、わたしが観に行った時点で既に韓国では上演されていたが、
アメリカでの上演は今年だという。今年のいつかは知らないけど。

舞台装置が、面白かった。
舞台装置を作ってる人も有名な人なんだそうな。そのときは知らなかったけど。
高嶺格さんって人。

舞台中央の上部にでっかい白い太陽みたいなのがあって。。
それは、「アメリカ」であり「父」であり。
最後はその「化けの皮」を剥がすのか、それとも解体させるのか。
あれは結構象徴的な行為で面白かった。

てか、わたしがこう書いても、観てない人にとってはなんのことやら分からないなあ、これでは。

トータルで言うと舞台上に4人の人が、そして実態は現れないけど「声だけ」の人が1人、出てきます。
舞台の上の4人は、2人が日本語を話す人、2人が韓国語を話す人。1人が男性、2人が女性、そして1人がイチロー。
「声だけ」は英語。英語しか話さない。
日本語、韓国語、英語がすべて分かる人が観客ではないので、台詞の大半は舞台の左右に1つずつあるスクリーン(?)で
日本語字幕、韓国語字幕、英語字幕が写るようになってた。

面白かったのは、日本語話者=日本人、韓国語話者=韓国人、じゃなかったところ。
劇を観る人の先入観としてそういうものがある。
その認識を見事に覆してくれて「わー、面白い」と思った。
とすると、舞台上に出てきた人たちの役は、日本人はイチロー含めて2人、韓国人が1人、国籍不明が1人、ということになるのか。

最初、「野球なんてルールが難しくて全く分からない」ということが蕩々と述べられる。
んー。イライラ。。
確かにサッカーと比べるといろいろ難しいかもね。
しかし「なぜ3ストライクで1アウトなんだ」とか「なんで表と裏があるんだ」とか「なんで9回まであるんだ」と言われても、
そこに明確な理由などないわけで。だって、そういうルールなんだから!
スポーツってものは、ルールがあるからこそスポーツで、しかも野球はそんなに難しいルールではない。
わたしは野球のルールが難しいと思ったことがない。小学生の頃、テレビを見て自然に覚えた。
ただ、野球があまり好きではない人にとっては、「野球好きじゃない理由」として、
そういうところにいちいち引っかかりたいのかな、という気はした。

てか、ここまで書いて、ほとんど「話の筋」を覚えていないことに気が付いた。
印象的な場面はここそこにあるんだけど。どこでどう繋がってたのか、もうほとんど覚えてない。

日本と韓国、それぞれの野球が始まった話。
野茂英雄とパクチャンホの話。
ヘテ・タイガースの話。
「みんな背番号51を付けてイチローになろう」
イチローの背番号51と台湾の51クラブの話。
「危ないから傘の中に入っていろ」というイチローの脅し。
アメリカの声は父の声でもあった。
「本当は野球なんて好きじゃなかった!父に無理矢理に野球チームに入らされた!」と叫ぶ日本人(しかし韓国語話者)の男性。
終始傘の中に入るのを拒否し、舞台装置に立ち向かう、国籍が明らかでなかった女性。
徐々に壊れてドロドロになっていく舞台装置。

野球、を巡っての話のはずだが、国の関係性も象徴している。
そういう意味では日本も韓国も同じ。

だから最初に書いたように「日韓関係」というよりは「アメリカ」と「日韓」との関係を描いた作品のように思えた。
だって「日韓」の配役と言語は入れ換えられるけど、「アメリカ」の言語は他とは入れ換えられない。
「アメリカ」は「英語」じゃなくちゃいけない。

面白かったです。
11:58 | (一般)映画・演劇のこと | トラックバック(0) | page top↑
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