06-20 Fri , 2014
北海道、青森旅行4日目(函館で百万ドルの夜景)
なんか旅行に出てから「車いすで外に出たことによる憤りの多さ」みたいなのが中心になってるなーって、今まで書いたのを読み返してみるとそう思うんだけど、実際、憤りを多く感じたのは確かです。彼女に腹を立てたのも事実。でも、それは瞬間湯沸かしみたいで、長続きしなかったんだよね。わたしの怒りって普通は一旦怒ってしまったらなかなか怒りがおさまらないで、数日続いてたのに。

これって案外怒りを数日続けると、とてもじゃないけど彼女の車いすを押すことができないって、頭のどこかで思ってたのかも知れない。怒りながら誰かの面倒をみるのは不可能だから。だから、わたしにしてみれば素晴らしく切り替えが早くなったんじゃないかってちょっと思ったりする。まぁ怒らないのが一番なんだろうけど、それは無理。

それに怒ってたばかりじゃなく、前にも書いたけど車いすを押しながらの方が彼女との会話がたくさんできて、今回は本当に今までのどの旅行よりも彼女とたくさん話した気がする。なのですっごい楽しかったのだ。まぁでもここにはそういう他愛ない彼女との会話は書いたりはしないからね、、(笑)

さて4日目。前の日も天気よかったけど、この日もよかった。

この日の午前中はホテルでのんびりし、10時半頃チェックアウト。そのまま歩いて札幌駅に出て、昼食の弁当などを買い、そして函館行きの電車に乗るために、改札前の待ち合わせ場所みたいな、長いすがずらっと並んでいるところで座って時間を潰していた。

すると彼女の方にいきなり駅員さんが声を掛けて来た。「函館にいらっしゃる方ですか?」って。まさにその通りだったんだけど、ちょっとびっくりした。わたしらだいたい20分くらい前に行けばいいかなって話してたのね。それより前にまさか向こうから声を掛けてくるなんて思ってもみなかった。

その駅員さんは親切に改札を通ってエレベータに案内してくれ、ホームまで連れて行ってくれた。駅員さんがいるとエレベータが非常に乗りやすい。他の乗客の人も「車いすの人がエレベータに乗ります」と言われると、先に乗せてくれるから。でも逆にね、いないと冷たいんだ。。もう何回も同じこと書いてるけどさ。「だから先導してくれる駅員さんが必要」なんじゃなくって、駅員さんがいなくてもエレベータに乗りやすい環境って作れないのかな。

駅員さんに先導してもらうのはとっても有難いのだが、これだと全く寄り道ができないのね。エレベータに乗る前にちょこっと売店に寄りたいと思っても(買うものが決まってるわけじゃなく、なんか面白そうなお土産物がないかな~とかちょっと見るだけ)、駅名の書かれた看板の写真が撮りたくても、駅員さんに先導されるとひたすらまっすぐに目的地(ホームや出口)に向かうだけ。わたしは個人的に

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こういう駅の看板(っていうのかな)を撮るのが好きなんだけど、駅に着いた途端、ホームで駅員さんが待ってて、そして出口に誘導してくれると、こういう看板の写真を撮るのが難しい。いや、歩いてる途中にちょっと見かけたら「ちょっと待って下さい」って言って撮れるのだけれど(実際そういうこともあった)、電車を降りてからすぐにエレベータがあったり、出口があったりすると、わざわざ逆行して看板のあるところまで行くのが難しいの。。いや、それはこっちが「駅の看板撮りたいんで」って言えばいいんだろうけどね。ただ、帰りに東京駅の地下で弁当買って帰りたかったんだけど、それはさすがに言えないなあと思ったよ。「弁当買ってくるまでここで待ってて下さい」とはねえ。だからといって、東京駅はとても複雑で、自分と彼女だけでは絶対に(乗り換えの)駅のホームまでたどり着けないと思った。

わたしら、普段何気なくどこでも好きに行けて好きなことをしてるけど、車いすで移動するとそれができないことが多々あるんだなあと思った。あ、でも駅によっては電車からスロープだけ用意してあとは勝手に行って下さい、ってところもあったし、「最後まで誘導しましょうか?」って聞いてくれる場合もあった。駅員さんが車いすを押してくれるところもあった。だからそれは駅によっても駅員さんによっても対応が違うんだろう。

まぁそんなこんなで電車に乗って出発。北海道の車窓を楽しんだ。天気がよかったので、本当にきれいな北海道の風景だった。ただ、地理にそんなに詳しいわけじゃないんで、どこを走ってるかはグーグルマップさんに教えてもらいました(笑)

洞爺湖辺りでわたしの頭の中に、あの例の「はーるばる来たぜ 函館へ~♪」って歌がグルグル流れ出し。おいおい、函館はまだまだじゃないかって思いと、なんてベタなんだろうってあきれる思いとでまたグルグルし。。そう、わたしの人生の中で初の函館訪問だったのだ。本当にはるばる函館に来ちゃったのだ。

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ちなみにここの駅はホームと通路と改札が全部バリアフリーなので、とても楽だったです。っていうか、こんなに楽なのに駅員さんが車いすを押してくれた。

しかし、函館は寒いのなんの!なんで札幌より南にあるのにこんなに寒いんだと思った。確かこれは白老に行ったときも感じて、、地形的な何かがあるのかも知れないけど、札幌が30度のとき、たった電車で1時間かそこらしか行ってないところ(白老)がその半分の15度だなんて、信じられなかった!でも、暑かったのは札幌のみで、実は次に行った青森も寒かったんでした、、ということは、札幌が例外なのか?

駅からすぐホテルにチェックインした。部屋に入って少し休んだり、夜は函館山からの夜景を観に行く予定にしてたんだけど、そこまでどこをどう行ったらいいかとかその他の見どころを彼女がホテルのフロントに聞きに行ったりした。ホテルの部屋もめっちゃ寒かったので、わたしはすぐに荷物から長袖Tシャツと上着を出し、それから部屋全体を暖めるために暖房を入れた。けどしばらく経ってもなかなか暖かい風が出てこなくて、、

まぁいいかと思い、結局、予定を立てたあとに外出したのだが。夜になってもまだ寒くて、でもエアコンからなかなか暖かい風が出てこなかったので、彼女がフロントに電話したら、なんと、もう中央操作でエアコンから暖かい風は出なくなってたんだってさ!「寒い寒い」って言いながら暖かい風が出るのを待ってたけど、結局それは冷房の風だったんだってさ!フロントの人に「外の方が暖かいと思いますよ」って言われたと彼女が言ってた。なんなんだよ、それは。。。

外に出る際にもあまりにも寒く、わたしは手袋をして車いすを押した。東京を出るときに「まさか、手袋まではいらないよね」と思いつつも、まぁ上着のポケットに入ってるから出すのが面倒でそのまま入れてきたんだけど、まさかそれが役に立つとは。。まぁしかし、手袋をして歩いてる人は他にだーれもいなかったのは事実だけどね。でもわたしはそれがあるおかげで随分助かった。

最終的には函館山に行こうと思ってたけど、途中にある教会とか寺院とかは坂がきつすぎて車いすでは無理でしょうってフロントの人に言われたので、それだったら海沿いの倉庫群の方を回ってみようってことになった。日没の30分後くらいの時間が美しいと言われたんで、その日の日没時間がだいたい19時だったかな。18時半目指して函館山のロープウエイに乗ろうってだいたい決めておいた。函館山のロープウエイについては、事前に車いすでも乗れることを確認していた。

倉庫群に行くまで、ずっと広い通りを車いすを押しながら歩いて行ったんだけど、朝に海産物を食べさせてくれるお店が多いのかしら?夕方通ったらもう全くお店は開いてなくて、朝の方が活気があるのかなあ~?だからなのか人通りもほとんどない。道を歩いてる人なんかいない。ただ、倉庫群に近づくにつれ観光客がいたような?彼らは一体どこから来たのかしら?歩いて移動してなかったのかしら。あ、街には至る所でタクシーが待ってた。道の角々というか、建物の出入り口ごとに何台ものタクシーが待ってた。なので実はとってもタクシーが捕まえられやすいところだったんだよね~。車いすの人にとってはこれはとても便利だった。乗りたいところで乗れるんだから。初乗りも札幌と比べると安かった。

倉庫群は海の近くで、海の近くにはこんな漁船が留まってた。

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この2つは角度を変えて撮った同じ船なんだけどね(笑)そう、イカ釣り船!集魚灯がたくさん並んでて、しかもイカ釣り機が両舷にずらっと。水大出身のわたしからすると、こういうのはもう見るの大好き!この船を見ながら操業しているところを思い浮かべる。これ全部にイカがかかってるところは壮大だろうな。ちなみにわたし自身、大学3年のときに学校の船(もちろん漁船。まぁ1,800トン以上ある漁船なんだけど)に乗って大和碓近辺(あくまでも近辺で大和碓じゃない)に行ってイカ釣り実習をしたことがある。大和碓近辺の深さ3,000m近いところでね。もう全くと言っていいほど釣れなかった(爆)むなしくイカ釣り機だけがぐるぐる回っててね。何分かに1回、イカが引っかかる程度しか釣れなかった。そういう思い出がわたしにはあります。

倉庫群に行って、倉庫の中に入ってどんなお店があるのか覗いてみたんだけど、わたしはあんまり興味は惹かれなかったなー。彼女は寒かったので靴下を買いました。でも買って正解だったみたい。このあとすっごく寒かったから。

時間もいい時間になってきたんで、タクシー拾って函館山のロープウエイ乗り場に行った。いやー、教会や寺院に行こうなんて思わなくて正解。めっちゃ急な坂の途中にあった。こんなんじゃとても車いすは押しては歩けない。雰囲気はとても異国情緒溢れるみたいなんだけど、、惜しかったな。また機会があって、彼女がそのときまでに歩けるようになってたら(歩けるようになってると思うけど)今度はこっちの方面に来たいと思った。

ロープウエイ乗り場は少しずつ人が多くなっているようだったけど、車いすで来たと言ったらすぐにエレベータのところに案内してくれたし、ゴンドラには優先して一番最初に乗せてくれた。おかげで一番いいところで外の景色を見ることができた。

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これがロープウエイで登っているときに見えた函館市街の景色。

頂上(っていうのかしら?)に着いたらね、展望台なんだけど、うわー、こんなに観光客がいたのかってほど人がいて、しかも夜景の景色のよさそうなところにずらっと人が貼り付いてた。で、展望台で一番高いところはそこからさらに階段を上らなきゃいけなくて、車いすでは行けなかったので彼女は車いすを降りて杖を付きながら上まで登っていったんだけど、これがすごく怖くてね。夜景のきれいな時刻になるにつれ、どんどん人で溢れかえってきて、なんか修学旅行で子どももいっぱい来てたし、階段から夜景がきれいに見えるもんで、階段に立つ人がたくさんいて登れるところがホント、人一人分くらいしか空いてなくて、しかもどんどん暗くなってくるもんだから怖くてね。彼女に付いて歩こうにもスペースがないもんだから結局、わたしは一人で先に行くことになってしまった。

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これが日が沈むところ。夜景がきれいな函館市街地とは逆の方向。こっちの方は割と人が少なかったんだよね。

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これが「百万ドルの夜景」と言われる函館市街地の夜景。確かにきれいだった。風がすごく強くて寒かったけどね。で、夜景ってそんなに長時間見るものではないから人がコロコロ変わっていくんだけど、スペース的にも車いすの人は到底入って行けないような雰囲気だったし、一体車いすでないと移動できない人はどうやってこの景色を見るんだろうって思った。そう思ったらね、やっぱり今の時間は無理なんじゃないかと。おそらくこの時間が一番人が来る時間だと思う。日が段々暮れて景色が変わるとき。徐々に暗くなっていく風景を一番見たいと思うだろうと思った。だって現にわたしらだってだからこの時間に来たんだから。

けどね、わたしらがそう考えたのは「何も障害がない前提」で物事を考えちゃったからなんだよね。前日の札幌の地下道や札幌ドームへ行く道もそうだったけど、わたしは車いすで街を移動したことがなかったから「フツーの感覚」と同じ感覚で街を歩こうとした。でも、そこは車いすにとってはとっても不便な街だった。おそらくこのままずっと車いす生活や車いすを押す人の生活を続けなきゃならないんだったら「車いすで街に出るのはこんなに不便だったんだ。じゃあもう街に行くのはよそう」って思ったと思う。だって普通に出かけるのよりも数倍疲れるんだもの。体力的なものだけじゃなくて精神的に疲れるんだもの。

だからきっと、この夜景を見るのもね、こんなに人がめちゃくちゃ多い時間じゃなくってもっと前後にずらすと思うの。夜景じゃなくて昼間の風景とか、もっと夜遅い時間とか。そうしたら人が減ってて車いすでも見やすくなるだろう。

けどさぁ。だったら車いすの人間は一番きれいな風景を観られないっていうわけ?

正直、わたしはどうすればいいのか分かんないのよ。人の群がるところで、一番前のスペースを確保しようと思ったら、健常者だって努力しなきゃならない。っていうか、あの場でわたしは「健常者の怖さ」を目の当たりにしたの。今まで他のどの場所だって「車いす」を見たら人は道を譲ってくれた(エレベータは除くけど)。でもそれは健常者に余裕があるときであって、こういう場所みたいな「早い者勝ち」な場所だと自分のことしか考えなくなるので、誰も譲ってはくれないし、身体が不自由なことも考慮してくれないので怖い。でもだからといって「譲ってくれ」「配慮してくれ」とは言えない。言いづらい。だってみんな余裕がないのだもの。

これと似たような状況がラッシュアワーの電車に座りたい人じゃないかなってちょっと思った。始発駅の電車に乗るときなんだけど、扉が開いた途端、みんな一斉に座席に向かう。みんな座りたいので殺気立ってるよね。あの場で「自分は今日はしんどいから席を譲ってくれ」とは言えない。逆に座れたときは誰にも席を譲りたくないって思うから。座れたことでホッとして「今日は座れてよかった」と思う自分がいるから。

でも一方、身体が不自由な人はこの時間を避けて電車に乗れというの?好きな時間に電車に乗れないなんて理不尽じゃないか。そうも思う。

譲りたくない人の気持ちも分かるし、でもそういう健常者に配慮して生きざるを得ない障害者の状況は心が痛む。わたしはこれまで散々「道を譲れ!」「エレベータに乗る車いすの人のことを配慮しろ!」って今まで言ってきたけど、でもこのような状況はどうすればいいのか。わたしは自分自身疲れているときにやっと座れた席を誰かに譲ろうとは思わない、いや、思えない。常に誰かに席を譲りたいなんて優しい心は持ってない。だからこの問題は正直なところ、今の自分にはどうすればいいのか分からない。

けどその分、車いすや身体の不自由な人はきっとどんどん街に出づらくなってる。「ちょっとでも人がいないところに」「ちょっとでも人がいない時間に」って思ってたら、どんどん外には出られなくなる。「あーまた外に出ると気を遣うのか」って思ったら外に行きたくなくなる。わたしも普段なら人がいる、いないとか、街が歩きやすいかそうでないか、そんなこと今まで全く考えたことがなかったけれど、そういうのを常に考えて行動している人たちがいるんだろうな、そして自分もそういう立場に置かれたらだんだんと行動範囲が狭くなっていくんだろうなって思った。

帰りのロープウエイは待っている人がものすごくたくさんいてどうなるのかと思ったんだけど、結局は「車いすです」って言ったら待たずに乗せてくれた。ただ帰りはゴンドラに一番先には乗せてはくれず、一般客と一緒に中に入ったんだけど、これまた夜景がきれいな場所を確保したい一般客が我先に入っていったんで怖くてね。健常者の怖さというのをつくづく感じたよ。

確かに行きも帰りもほとんど待たずにロープウエイに乗れて、特に帰りはおそらく車いすじゃなかったら2~30分以上は待ってただろうから、配慮されてよかったといえばよかったとは思うけど。でもさ、本音を言えばこの程度で配慮されてよかったとはちっとも思わなかったの。トータルで見れば、やっぱり車いすは割が合わない。体力も精神力も健常者より遣って、それでもやっぱり同じにはなれない。それって「当たり前じゃん」って思われるかも知れないけど、果たして同じじゃないことが当たり前でいいことなんだろうか。

そんなこんなで4日目も終わった。疲れていたので夜は一瞬の間に寝てしまった。

5日目に続く。。
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