10-06 Sat , 2012
レズビアンと婦人科
ヘテロ女性(この場合シスジェンダーヘテロ女性)も進んで行きたいとは思わない婦人科って(シスジェンダー)レズビアンならもっと行きたくないんじゃなかろうか。というか、少なくともわたしは「何か」なければ絶対に行きたいとは思わない。
※シスジェンダーというのは、性自認と性別が同じ人のこと。性別が「女(男)」で自分が女(男)だと思ってる人。トランスジェンダーではない人。

わたしの場合、今まで「何か」というのが2度ばかりあったので、2度ほど婦人科と言われるところに行ったことがある。レズビアンがヘテロ女性と比べて「行きにくい」と思う理由の一つに「性行為の有無」を聞かれることがあると思う(男性医師だと嫌だというのはヘテロ女性も共通らしい)。なんてったって婦人科で言う「性行為」の定義が分からないのだ。というか多分向こうは世の中に「女と女がセックスしている」なんてことをつゆとも考えていないだろうなと思われる受診前のアンケート(って言うのかな)で思い知らされるのだ。そのアンケートを前にして「自分がこの世に存在していない悲しみ」や「具体的にどうやって答えればいいのか分からない途惑い」を感じるのだ。まだ「会ってもいない」医師に対してカミングアウトしたらどうなるんだろう?本当にカミングアウトして理解してくれる医師なのかどうか分からないうちにカミングアウトはしたくないのは当然だ。ましてや受付の人に「この性行為って女性同士の場合はどうなるんですか」なんて聞けないだろう。

なんて急にこんなことを書いているのは理由がある。もうなぜそんなブログに行き当たったのか覚えてないのだが、子宮頸がんになってしまった人のブログを読んだのだ。最初の人から次の人、みたいにしていくつもいくつもブログを読みあさっていたのだが、その中で一人、「子宮頸がんになっていない人のためにワクチンと検診の必要性」を必死に書いている人がいて(その人は残念ながらもう亡くなられたらしいのだが)それを読みつつ「レズビアンの場合はどうなんだろう?」って思ったからだ。

そこには必ず「性行為をした男女なら誰でも(HPVウイルスに)感染する可能性がある」と書いてある。HPVというのはヒトパペローマウイルスのことで、そのウイルスはHIVみたいに「どこにいる」と限定されているウイルスじゃないらしい。種類は350種くらいあって、その中でもガンを発症させるウイルスは18種だったかな、あるそうだ。ワクチンを接種しても(2種と4種という2種類のワクチンがあるらしい)全部防ぎきれるわけじゃないらしい(ガンを発症させるウイルスは18種あるわけだから)。だからその人は「ワクチンを接種しても性行為をしたならば検診を受けてくれ、検診も細胞診だけではなくウイルスに感染しているかしていないかが分かる検査も受けて欲しい」と書いていたのだ。

ちなみに子宮頸がんはもちろん(生物学的な)女性しかかからないが、このHPVウイルスによってそれ以外のガン(陰茎がん、喉頭がん、舌がんその他)にかかる可能性があるので、男性もワクチンの対象としている国もあるらしい(残念ながら日本は遅れているので男性へのワクチン接種は想定されていないし呼びかけられてもいない)。もしガンを引き起こされなくても尖圭コンジローマの原因になるので、これも男女関係ないってことになる。

さて。感染は「性行為」って書いてあるけどHPVウイルスは例えばHIVのように「○○に存在する」とは何を見ても書いてないのだ。ということは、普通に手足についてたりする可能性もあるんだろうか?(そこら辺がよく分からないのだが)しかも感染予防としてコンドームもあんまり功を奏しないらしい(だから普通に手足にウイルスが付いてるのかなと想像したのだが)。「性行為」が「ペニスとヴァギナの結合」を意味するのであれば(ウイルスがペニスとヴァギナにしか存在しないならば)レズビアンはHIVと同じく「ローリスク群」ということになる(あくまでも「ローリスク」であって可能性は「ゼロ」ではないのでご注意を)。けれど何を読んでも(わたしが探した範囲以内だが)HPVウイルスは「性器にしか存在しない」とは書いてない。むしろ「どこにでもいる」と書いてある。

ってことは、レズビアンでも性行為をすればかかる可能性があるってことだよね?

ただ「レズビアンの性行為」というのは、おそらく一般のヘテロ男女の性行為に比べると考えられないくらい種類が多いと思われるので、多分その中にも「ハイリスクな行為」と「ローリスクな行為」があるはず。ただいかんせん、どこにHPVウイルスがいるのか分からないので、何が「ローリスクな行為」なのかはよく分からない。。ただ言えるのは性器を使わない性行為をすれば子宮頸がんになるリスクはゼロだよね、、(これは男女のセックスにも言えると思うが)

ちなみにこの「性行為」という言葉について、最初にも書いたけど医学上の「(男女の)性行為」ってどういう定義なんだろう?って思う。それこそ「ペニスとヴァギナの結合」しかないのだろうか。だって男女の性行為だってそれ以外いろいろあると思うんだよね。それとも8割9割は「ペニスとヴァギナの結合」しかないんだろうか。そこら辺は誰にも聞いたことがないんでよく分からないけど。

個人的には「性的に気持ちがいいこと」ならなんでも性行為になりうると思ってるんだけど(だから性器を使わない性行為も有りだと思う)、それはただわたしがそう思ってるだけであって、やっぱり医学上の「性行為」ってきちんと定義されてるんじゃないかと思うのよね。でも「医学的な性行為とはこれこれです」って聞いたことがないのはなんでだろうか?考えなくても当たり前だから?

そういうことを「子宮頸がんのワクチン接種と性交後の検診」を訴えていた人に聞いてみたかったな、と思う。その人は本当に真面目に「もう自分のような目に遭う女性を出したくない一心」からブログを書いていた。真面目に聞いたら真面目に答えてくれたんじゃないかと思うのだけれど。。子宮頸がんのこと、本当にすごくよく調べて書いてたから。

しかし一方で「女性特有」であるからか、有無を言わさぬ「女性ジェンダーへの強制」ってのもいろんな人のブログを読むと感じるんだよね。。だから「もしわたしがこの病気になったら」って思うとちょっとゾーッとするのも確かで。

まぁこの話は次にしようかな。ただこれを書くと「女性特有のガンにかかった人に対して攻撃してる」と思われてしまう可能性もあるので、どうしようかな。

まぁわたしがここで書きたかったのは、レズビアンにも行きやすい婦人科があったらいいな~ってこと。こそっとでもいいからレインボーフラッグを飾ってあるとかね。そうすればギリギリまで我慢しなくても気楽に行ける病院ってことで、病気の早期発見にも繋がるのではないだろうか。
19:14 | 性的少数者に関すること | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
ろんちゃん様。
初めまして、ミーシャと申します。
何年か前の記事でしたが、私もレズビアンでも受診しやすい婦人科がないものかと検索しており、このブログに出会うことが出来ました。
ろんちゃん様のご意見、共感ばかりでした。
同性婚等認められるようになりつつありますが、こういったところにはあまり配慮がないように思います。

私もレズビアンで、パートナーは女性ですが、実はそのパートナーがHPVの保菌者です。
保菌者と性行為(性器との接触)をすれば、普通にウイルスは女性の体内に侵入し、免疫の機能で排泄出来るように出来ていますね。
でも彼女はそれがうまくいかず、(子宮頸がんの患者様は皆そういった経過)ずっと保菌している状態です。
子宮頸がんの精密検査でもガンの陽性反応がないため、様子を見ているのですが。

もちろん、パートナーですから、肉体的なコミュニケーションも行うわけですが、、
私はタチですので、彼女に快楽を与えます。
性器との接触も当たり前に存在しているので、お分かりのように、私の中にもウイルスが侵入しています。
ただ、私は免疫機能でウイルスを排除出来ているため、保菌している状態が常ではないのです。

本題に戻りますが、なぜ婦人科で性行為の有無を問われるか、それは性行為の経験があるかないかで、性感染症や婦人病のリスクが全く異なるからです。
つまり、性行為を経験していない方なら、しなくて良い検査もありますし、診察の際、内診をするかどうかで考慮してもらえますから。
と、、考えると 私は男性との(ペニスとの)接触はないけれど、性器との接触はあるので、ここで問われている「性行為の有無」については 有 に丸をつけて、それなりの(性感染症等の)検査を受ける必要性があるのではないかと考えています。

海外ではもっとゲイがオープンで、アメリカの婦人科に掛かった際には、自分がレズビアンだということを説明しても、女医は驚くことなく普通の様子で優しく診察を続けてくれました。
日本では皆、隠している分、医者も慣れていないところもありますが、必要であれば私は堂々とレズビアンだと伝えられる気がします。
私にとっては、ヘテロの女性への方が固定観念というか、、少し抵抗感があるくらいです(^-^;
否定はしませんが、私も誰かから否定されるようなこともないと自信を持っております。
しかし、私のような人ばかりでないので、レズビアンやレズビアンの方でも注意すべき疾病等を熟知されているドクターや看護師を備えた婦人科があれば、ろんちゃん様のように、性行為の定義まで難しく考えることなく、答えることが出来るようになりますよね。

私達は確かに存在している。
ヘテロの恋より優しくてとっても深い愛情を持っている。
怠っていることなんてなにもない、ただ生殖の部分で、ヘテロがくっつくことが一般的だと言われているだけなんだ。
そう思っております。

ろんちゃん様のブログに出会えて、嬉しかったです。
このコメントがろんちゃん様に届くことを祈って。。

長く書いてしまって申し訳有りませんでした^^;
Posted by: ミーシャ at 2015/04/02 17:44 URL [ 編集] | page top↑
>ミーシャさん
コメント、有難うございました。

そうですね。昨今、渋谷区で条例が可決されましたが、あれは同性婚でもなんでもなく、法律に関わらない部分での不都合が少し解消される、といった類のものです。が、そういう類のものが案外身の回りには多いのではないかと、最近そう思ってます。この「レズビアンと婦人科」の件もそういう類のものですよね。でも、これだって十分わたしたちが快適に生きていく為に必要なものだと思います。もちろんだからといって「法的に保障される」権利がいらないとは言いませんが。まぁどちらにせよ、ミーシャさんのおっしゃるとおり「わたしたちは確かに存在している」のですから、そのことについてはもっと可視化は必要なのかも知れません。

婦人科で聞かれる「性行為の有無」にはそういう点も配慮されてるんですね。
「そうかー」とは思うけれど、でもやっぱりだからといって婦人科に行って検査してもらう、というのは相当高いハードルに思えます。内診をされることだけでもあまり気が進まないのに、それ以外に「カミングアウト」というもう一つのハードルがくっついてくるのですから。。せめてその「カミングアウト」というハードルを低くしてもらいたいですよね。

ただ、GIDの人なんかは婦人科に行ってホルモンを打ってもらっているわけで、そういう意味では婦人科が全く「性的少数者と接点がない」というわけではないんですよね。。まぁだからといってGIDの人に接してても同性愛者は全く見えてない、ということだって有り得るんですけど。

最後に「ヘテロの恋より」って部分がありますが、わたしはそうは思ってません。
もちろんヘテロの恋より抑圧されている部分が多々あるので、より優しく深いと感じられる部分はあるのかなと思いますが、基本的にわたしはヘテロの恋と同性愛者の恋は同等だと思ってます。見方によっては「同性愛の方が純愛だ」と言えなくもないんですが(制度によって保障されているわけではなく、純粋に愛情でしか結びついていないので)、だからといって純愛を守るために制度なんかいらないと言う気はないし、同性愛者と異性愛者は平等なので、同性婚も必要なんだと思ってます。もちろんミーシャさんがそういう意味で「ヘテロの恋より優しくて深い」と言ってるとは思ってませんよ。そう言いたくなる気持ちも十分分かるんです。が、それは比較の対象ではないって方がわたしは強いです。

なんか、最後の方、拒絶しちゃってるように見えてしまって申し訳ないです。
文字にするととても強い印象を受けてしまうだろうなと心配ですが、そこまで強くは思ってませんけど、ちょっと気になったので書いてみました。コメント、どうも有難うございます。大した記事は書いてないのですが、また別記事も読んでもらえると嬉しいなと思います。で、最近はほとんど性的少数者のことを書いてないということはありますが(^^;
Posted by: ron at 2015/04/03 11:19 URL [ 編集] | page top↑
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