03-10 Sat , 2012
「もし同僚が同性愛者だったら」を見た
先月、朝日ニュースターで「ニュースの深層」という番組の中で「オネェだけじゃないLGBTの人生」を見たと日記に書いた。そうしたら今度は同じ「ニュースの深層」の土井香苗さんのときに「もし同僚が同性愛者だったら」という題で番組をやることを知り、それも見たのだけれど。

前回のゲストは知らない人だったんだけど、今回のゲストは木村真紀さんで、木村さんとは知り合いだ。ま、知り合いと言っても2007年以降は会ってないんだけどね。やはりわたしにとっては木村さん=尾辻さんの前カノ、というイメージを持っちゃってる。だから、あのときと比べて「あー、なんだか雰囲気が少し変わったなあ」とか、そういう余計なことを思ってしまって、番組の中で何を言っていたのか、十分集中しきれなかったところはあるし、それに番組を見ている最中、ワクチン打って調子を崩したうちの猫が吐いてしまったりしたものだから、聴き取れなかったところなどがあって、日記に書こうかどうしようか迷ったのだけれど。まあ見たことは見たので、それを残しておく。

木村さんは今、虹色ダイバーシティという団体の代表を務めているらしい。肩書きというか、テロップに流れてきたのは「関西学院大学非常勤講師」だったが、話の中では「コンサルタント会社に勤めており、会社ではカミングアウトしていない」と言っていたので「は?どういうこと?」と思ったのだが、実際はどういうことなんだろうね。カミングアウトしてないのに番組に出ちゃって、それを同僚が見ちゃったら、どうするんだろう?ってそんなことも思ったのだけれど。。まぁそれはそれでいいのかな。

しかし、こう言ってはなんだが、わたしの知ってる木村さんとはちょっと印象が変わったというか、なんかテレビのライトに照らされてたせいなのか、顔が輝いて生き生きしてるような感じがした。あとは着ている服のせいなのか、雰囲気が少しマニッシュになったというか。そして今は女性のパートナーさんがいらっしゃるようだ。

番組で話されてた順番を既に覚えてないのでぐっちゃぐちゃだろうけど、記憶にある範囲で書くと、

初めは「今日のニュース」の中にロシアのプーチンが大統領に再選されて、そして反プーチン派の身柄を拘束している、というのがあった関係と、今、ロシアのなんとかって都市で「反LGBT法」みたいなの(LGBTと表明してはならない、みたいな法律だったと思う)が策定されようとしていて、木村さんは国際会議の場所でロシアでパレードをやろうとしていた人と知り合ったが、次に彼を見たときは、彼が当局によって逮捕されている姿でショックだった、と語り、そしてそのロシアと日本とは共通点があります。G8の中で、同性パートナーシップ法がないのは、このロシアと日本だけなのだ、という話をした。

それから「LGBTってなんですか」という話から始まり、まぁLはレズビアンで、、という説明をしてたんだけど、ちゃんと「LGBTの中にもこの概念に当てはまらない人もいます」って言ってて、そこはさすがって感じだった。また「ダイバーシティ」については「多様性」を意味する言葉で「虹色」と言うのは、性の多様性を表わすものだ、と、まぁこれは、何も知らない人向けの用語説明だったわけだけど。ただなぜ性の多様性を表わすレインボーが6色なのかについては、パレードのときに二手に分かれなければならなかったから、と説明されてたけど、これは初めて聞いた。わたしは確かWikiで読んだと思うんだけど、最初はピンク色などを含む8色だったんだよね。ところがピンク色ともう一色は印刷しにくいってことで、6色に落ちついた、そう思ってたんだけどね。

そして会社ってところは、仕事だけをする場所だと思われているが、実は案外その人の家族のことなど話されている場でもあり、例えばその人に子どもがいたり、子どもがインフルエンザにかかっているとか、そういうことが意識しなくても「当たり前」に情報として伝わってきてたりするのだが、性的少数者としてカミングアウトしていないと、自分は独身だと思われており、しかも、パートナーが例えいても、そのことについては語れない、要するに異性愛者が気軽に自分の身の回りで起きたことを何気なく話しているのに比べて、性的少数者は「これを言ったらどう思われるか」を常に考えて、話さざるを得ないんだということを話してた。例えば今公開されている「人生はビギナーズ」という、父親がゲイとカミングアウトした話の映画(わたしも観に行きたいと思っているのだがまだ観てない)についての話を同僚としようと思っても「もしかして自分の感覚はヘテロの人と違ってたらどうしよう」などと思ってしまうんですよね、と木村さんは言っていた。

確かにわたしも会社に勤めてたときはまさに誰にもカミングアウトしてない状態だったから、彼女がいることは伏せてたし、そういうことは全く触れなかった。だから同僚からは「社会人野球一筋な人」と思われてたと思う。まぁわたしの場合は周囲から結婚だのなんだのと言われたことはないので、その点はすごく楽ではあったが。子どもの話をする同僚は確かにいたねえ~。そういう点でなにも隠す必要がない異性愛者はとっても気が楽だと思う。

そういう「気を使わなければならない環境」にあるLGBTは、仕事の能率にも影響を与えるそうで、例えばLGBTに対して理解のある職場で、その人が「ありのままの自分」を出せるところだと、出せない人に比べて5%だったか10%だったかくらいの仕事の能率が違うんだ、という統計があるそうだ。だから会社自体が「LGBTに対して理解がある」ようになれば、職場の5%くらいを占めると言われているLGBTの仕事の能率自体が上がり、それによって会社に利益をもたらす、という「いい循環」が生まれる、とのことだった。この職場の5%っていうのは、ゴールドマンサックスだったかでの企業調査によるものらしく、でもそういう中でも「カミングアウトしない人」もいるだろうから、実際にはもう少し多いと思ってると木村さんは言っていた。だけど日本で1万人以上従業員がいる、とある企業のお偉方の中には「うちにはそういう従業員はいません」ときっぱり言ったそうで(苦笑)、「1万人もいる中で絶対にそんなことは有り得ないのに」と思っていたそうだ。ってホント、日本の経営者って意識低いよねえ~、、

また、欧米だったか米国だったかで行なわれた「働きやすい会社ベスト100」の調査では、その100社とも全部、LGBTに対する差別禁止規定があったり、何らかの形でLGBTに対する配慮がある会社だったそうだ。特に「北米トヨタ」はランクも非常に高くて、米国ではこういう風にちゃんとLGBTに配慮している会社だそうだが、では日本のトヨタに関しては、というと、それはよく分からない、とのことだった。

そしてマーケティングの話では、可処分所得の高いゲイに対するアプローチも結構されていて、LGBTは一大マーケットとして見られているということだったが、確かにアメリカのゲイやレズビアン雑誌を見ると車の広告、しかも日本の車の広告なんかよく載ってるし、そういう意味では日本の車会社は欧米では「LGBTマーケット」を意識した戦略を立ててる証拠で、でもなんでそれを本国である日本に当てはめないのか、と思う。ただ、日本のゲイ雑誌の中で突然車の広告を出すのはちょっと無理があるが。日本のゲイ雑誌は基本、エロ雑誌だからね~。海外で見られる「エロ抜きのLGBT向けの雑誌」は今、日本ではわたしが知る限りに於いてはないもんね。

ただ、雑誌に広告を出す以外、例えばCMの中に異性愛者カップルや家族の中に同性カップルを紛れ込ませたものを作るとか、そういう方法はあると思う。LGBTはそういうものに非常に敏感なので「あ、ここの会社、自分たちを受け入れてくれている」と思えば、そこの会社の商品は買いたくなると思うんだよね。

あと、番組の中でも言ってたけど、国際レズビアン&ゲイ映画祭ではソフトバンクやBODY SHOPなどの会社の協賛が付いているそうだ。そうすると「ああ、ここの会社は自分たちの存在を知ってくれているんだ」と思えるよね。で、やっぱりそういう会社を応援したくなってしまう。これは人間心理だよね~。

ただし、LGBTはそんなに甘くもなく(笑)、その会社が会社の中でLGBTをどう扱っているのかも厳しく見ている、と言ってたな。

そしてLGBTについてのサポート体制が整っている会社は、業績も上がっているそうだ。だから、これはLGBTだけが得しているわけではなく、会社側にもメリットがあることなんだ、ということを強調していた。現に日本IBMはLGBTに対してのサポート体制が整っているということで割と知られている会社だが、LGBTについてのサポート体制を整えたのと同じ時期から会社の業績が上がり始めた、とのことだ(それまでは他の会社と同じく下がり気味の傾向にあったらしい)。「その理由はどうしてだと思いますか?」と土井さんに聞かれた木村さんは「既に市場が多様性だからだと思います」と答えてた。多様な人のニーズを把握するためには、会社内に多様な人がいないと対応できないと、そういうことらしい。

その「体制」の作り方についての説明もあった。これは先ほど挙げた「虹色ダイバーシティ」のウェブサイトにも載っているが、最初は「支援体制を作ろう」、これによって今まで「会社の中では自分しかいない」と思って孤立していたLGBTの人たちが「ああ、自分の会社にはそういう支援をしてくれるんだ」と思うことによって、何か悩みがあれば相談出来る体制を整える、ということ。次に「制度を変えよう」、例えば「LGBTの人に対して差別してはならない」などの規定を作ること。これは例えばセクハラだとかパワハラだとかを禁止するのと同じような感じで、その中にLGBTのことも入れ込む、ということだ。そうすると会社にいるLGBTの人は自分が差別されないことを知って、安心して会社の中にいることができるということに繋がる。LGBTの人の離職率も減る。すごく能力の高いLGBTの人が会社にいたとして、その人が「やっぱこの会社は居づらい」と思って辞めてしまったら、その会社はすごく損をすることになるよね。そして最後に「意識を変えよう」、管理者に研修を受けさせるなどして上司の意識を変えさせる。会社で「ホモがさー」とか「オカマがさー」という話題になったとしても、上司から「そういうことを言うのは実は差別なのだ」と指摘されるのをもし、LGBTの人が見ていたら「ああ、この人ならもしかしてカミングアウト出来るかも知れない」って思えるよね。そして会社の中にもLGBTの存在が明らかになって、そしてLGBT自体の繋がりも出来る。そういう体制を作りましょう、という話だった。

それから「よく同性愛者は社会に貢献してない」って言われるけど、木村さんは「そうとも限らない」って言ってた。だってカップルで暮らしてても「独身扱い」だから、扶養控除がない。とすれば、結婚している異性愛カップルよりも同性愛カップルの方が国に税金は多く支払っているのだ。これはうちにも当てはまる。わたしは仕事をしてないから、税金は払ってないけど、もし彼女の「扶養」ってことになったら、彼女の税金は「扶養者控除」を受けられる。けど、彼女は法律上独身なわけだから、そんな恩恵は受けられない。その分だけ多く、税金を支払っていることになる。まーこのことは事実婚の異性愛カップルには当てはまらないけどね。でも、異性愛者は「結婚するかしないか」を選択できるが同性カップルは選択できない。そこの違いだよね。

あとは木村さんはレズビアンってことで「女性と言うこととレズビアンと言うことのダブルマイノリティと認識している」と言っていたな。上に「ゲイの可処分所得は高い」と書いたが、日本では男性を100としたとき、女性の賃金は69.8(確かそのくらいだったと記憶している)しかならず、レズビアンカップルはゲイカップルに比べるとダブルで可処分所得が低い、つまり貧乏だってことだ。それはLGBTの問題ではなく、女性問題になってくるのだが、レズビアンはそういう問題も抱えている、と言っていた。

まあ、確かにそれは言えるのだろうけど、わたし自身の実感としては「自分は将来一人で暮らしていかねばならないのだから、それなりの仕事に就かねば」と思って、一人でも十分暮らしていけるような仕事に就いているレズビアンの人もいると思うんだけどね。ただ、そういう人は特に問題はないけれど、やはりカツカツで暮らしているレズビアンも多いことも事実で。それはもう、日本の労働環境を今とまるっきり違う体制にしていかないといけないと思ってるんだけど、日本はそういうところ、とても保守的だからねえ。。今の体制ではどうしても歪みが出てきてもうどうしようもない、となったときにしか体制は変わらないのでは、というちょっと悲観的な見方をわたしはしている。一時あんなに言われてたワークシェアリングなんか、今じゃ全然聞きもしないからね。とことんまで追いつめられないと政治家も経営者も分からないんだと思っている。

とまぁ、覚えている範囲ではこんな感じだったかなあ。とにかくLGBTがいやすい職場というのは、会社にとってもメリットがあるんですよ、ということを強調していたように思う。この番組、題名は「もし同僚が同性愛者だったら」だったが、実際にはLGBT全体の話になってた。まぁ木村さんはレズビアンなので「レズビアンの状況はどうですか?」と話をふられている場面もあったけれどね。

あとこれは余談だが、先月やった「オネェだけじゃないLGBTの人生」の番組に対してはとても反響が大きかったそうだ。反響が大きいってことは、次に繋がるってことなんだよね。まぁ今回の番組はそれを受けてなのかどうかは知らない。けど、CSで誰もが見られるってわけじゃないけど、でもLGBTに関して取りあげられる、というのは、わたしとしてはかなり嬉しいことだし、これからも時折誰かを呼んでLGBTに関する話題が放送されたらなあと思っている。土井さんは先月だったか、朝日新聞にも「朝日新聞はLGBTに対してのオピニオンリーダーになるべきだ」という記事を書いてたよね。まー、わたしは朝日新聞のみならず、他の新聞にもLGBTの話題が載ればいいなあと思っているクチではあるが。

まぁこの番組に対しては、知り合いが出てると話を聞くより「あー、木村さん、今はこんなになってるんだ」とどうしても思っちゃって、話にあんまり入り込めなかったというのもあるし、あと猫が吐きまくって大変だったと言うこともあって、前の「オネェだけじゃないLGBTの人生」に比べると忘れちゃった部分がたくさんあって申し訳ない。

んでも、こういう番組を見た経営者が「うん、そうか」と思って体制を整える動きをしてくれたらいいなー。決して「いない」わけじゃないんだから。少なく見積もっても人口の5%というと、20人に1人なんだから、それ以上の規模の会社では必ずいるってことなんだよね。だから、もし「うちの会社にはそんな人はいない」と思ってても、取り敢えずはLGBTに関する支援体制を作って、支援してますよ、という意志を見せるのが重要。そこからもしかしたら「うちの会社にもいたんだ」ということが分かるかも知れない(それでもまだカミングアウトできないって人もたくさんいるだろうとは思うんだけれども)。正直「支援体制なんか整ってなくても別に今のままで大丈夫」って人は多そうだ(わたしだったら多分そう思う)。それより「本当の自分が分かってもらえそうな人がいる」って分かった方が嬉しいけど、それって上の区分で言うと最終目標になっちゃんだよね。。やはり「そんな人はいない」って思われても最後まで体制は整えておくべきなんじゃないだろうかと思ったり。個人的にはね、そう思ったりもする。ただ、上に書いたように会社にとってもメリットがあるこの話、日本の会社でも是非実現していただけたらと願う(大手企業数社は既に導入したようではあるが)。
14:30 | (性的少数者)テレビのこと | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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