04-20 Tue , 2010
頭の中にお花畑を作ろう
ブログや直接のわたしの発言を聞いてもらうと分かるだろうけど、わたしは完璧ペシミストだ。将来に対して希望を持ってない。常に一番最悪のことを考えている。だから、生きてたってあんまり楽しくないどころか、どちらかと言えば苦痛だ。これはなぜかそうなってしまったのか、それとも生まれつきそうなのか、まぁどちらかは分からないのだけれど、わたしの思考の根本としてそういうものがある。それは否定しないし、そうそう変えられるものではないと思っている。

森達也、って人がいる。どういう肩書きを付ければいいのかはよく分からない。本人でさえよく分からないらしいし。ただ「ジャーナリスト」という肩書きは「断じて違う」らしく、今は「映像作家」と称していることが多いような気がするが、この人、本もたくさん出している。最近、わたしは姜尚中との対談本「戦争の世紀を超えて」(集英社文庫)という本を読んだんだけれど、その中に、森達也が以前書いた「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」という本について「森は性善説で頭の中はお花畑だ」とよく揶揄される、と書いてある(333ページ)。

確かに彼の本をいろいろと読んでみると、彼の根本は「人を信じたい」んだということが分かる。これがあるからこそ「死刑廃止」という結論を出しているのだろうし、「性善説」と言われるのだろうと思う(性善説の何が悪いとも思うんだけどね。と言ってるわたしは完璧「性悪説」の人間だが)。

ただ、彼の書いているものを読むとね、彼の頭の中の「お花畑」は、自然に生えて育っちゃったお花じゃないような気がするんだよね。それは彼の著作を読んでるとしばしば出てくるし、先ほどの「戦争の世紀を超えて」を読んでみても分かるんだけど「姜もまた僕と同様に、どこかでオプティミストであるかもしれない。その甘さは認める。認めるが撤回はしない。誰がするか。」(234ページ)のように自らが楽観的であることについて、覚悟を決めているように思えるのね。

だからわたしは彼の頭のお花畑のお花は自然に生えて来るのかも知れないけれど、それに水をやったり肥料を撒いたりして丹精こめて育てているような気がするのだ。歯を食いしばって「きれいに育ててやるんだ」という意志がそこにあるように思えるのだ。そのことを理解したときわたしは初めて「わたしの頭の中にもお花畑を作れるかも知れない」、そう思ったのだ。

頭の中がお花畑なのがいいことなのかどうかはわたしには分からない。だけど、今のわたしは完全に行き詰まってる。それをなんとか打破したい、そうするためにはどうすればいいのだろうとここのところずっと思って来た。性的少数者であることに絶望し、また戦争ができる国になるかも知れないと絶望し、もう二度と就職できないかも知れないと絶望し、ありとあらゆることに絶望してるわたし。どこかで発想の転換をしなければ、と思っていた。でもそんなに簡単に「明るく前向きに」生きられるようになるとは考えにくいし、それになによりわたしは「明るく前向きに」という言葉が大嫌いでね。最近よく言われるポジティブシンキング、なんて言葉も同様に大嫌いなのだ。

ところが初めて、頭の中で花を育ててみるのもいいかも知れない、と思い始めた。脳天気に呪文のように「明るく前向きに」を唱えるのではなく、歯を食いしばって頭の中の土を耕して畑を作り、種を蒔いて花を育ててみたらどうか、もしかしてそういうことだったらわたしにはできるかも知れない、ふとそう思ったのだ。

「頭の中がお花畑」である、ということは、言葉を変えれば「希望を捨てるな」ってことだとわたしは思ってる。

「希望を捨てるな」って言葉、大学時代の乗船実習のときだったかに習ったんだけど、救命艇の食糧や水などの救命物資と一緒に「希望を捨てるな。助けは絶対に来る」と書かれた本が一冊入っている、と聞いたことがある。周囲が360度海で、いつ助けが来るか分からない状況の中、助けが来ることを信じて生き延びろ、ってことなんだろうと思うし、事実諦めなかった人間の方が長く生きられるらしい。人間ってそういうところは本当に精神的なものが大きく働く動物なんだと思う。単純と言えば単純なんだけれども。

「希望を捨てるな」という言葉はわたしの中で「歯を食いしばってでもきれいな花を咲かせようと努力している姿」を連想させる。だからわたしはここで初めて性的少数者であることに絶望しない自分や、戦争を起こす国にさせないという希望、引いては世の中から戦争をなくすんだという希望、いつかまた職が得られるという希望を見いだすことができる。

よし、自分の頭の中にお花畑を作ろう。歯を食いしばって畑を耕し、種を蒔き、そして花を咲かせるのだ。それができればおそらく、今の行き詰まっている状況を打破できるはずだ。
18:06 | 自分の将来について | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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