08-09 Thu , 2007
8月9日午前11時2分
昨日の日記にも書いたとおり、今日は長崎に原爆が落とされた日。

恥ずかしながら、わたしは、今日、初めて「長崎平和祈念式典」をテレビで見た。今まで広島の平和記念式典は、何度も見たことがある。実際に行ったこともある。けれど長崎は、一度、平和公園を訪れたことがあるだけ。しかもほとんど「通り過ぎた」だけ。

テレビで平和祈念式典を見たときの第一印象。明るい。

それもそのはず。広島に原爆が落とされた時間は午前8時15分。それに比べて長崎は午前11時2分。ほぼ昼だ。当たり前と言っては当たり前だが、それまで「広島のイメージ」しか持っていなかったわたしは、やはり一つの物事で判断してはならないんだなあと思った。

式典も広島と長崎ではだいぶ違った。というか、広島は毎年、NHKで8時から8時半くらいの間に中継される。今年は長崎を初めて見たが、10時40分から11時40分までと1時間も放送された。これって、毎年そうなんだろうか?

広島はわたしはある意味「当事者」だ。だから広島の風景が写しだされるたびに「ここで親戚が行方不明(原爆投下62年経っても、未だに行方不明。あの日、爆心地方面に行くと言い残し、それ以降、姿を見せなくなったので、多分、原爆で死んだのだろうと言われている)になり、祖父と父は被爆したのだ」と思うと、もうそれは「当事者」としての感情しかない。

ところが長崎は、そうではない。わたしにとっては縁もゆかりもない土地だ。だから「ここが爆心地です」と言われても、、はっきりいってピンとは来ない。あと原爆ドームのようなものが、長崎には見あたらない。今調べたが、どうやら被爆建物のシンボルであった浦上天主堂は既に壊されてしまったみたいね。。

正直言って、テレビを見ているときは「何か足りない」って思った。長崎の平和のシンボルとされる「平和祈念像」(赤いペンキかけられたりしてる像ね)は、確かにシンボルではあり、わたしも直接見たことはある。けど「ああ、これが有名な平和祈念像ね」としか思わなかった。。まぁ、複雑な事情があるんだろうけどね、それぞれ。でも、広島の原爆ドーム(元は産業奨励館だった)は「負の遺産」として世界遺産に登録されている。が、長崎にはそういうものはない。これが長崎への原爆の影を薄くしている一因なんじゃないかとさえ思えてくる。確かに広島は「最初の原爆投下の地」だが、長崎は「最後の原爆投下の地」でなければならないのだ。ってこれは、今日の挨拶の中で一番印象的だった言葉なんだけど。長崎はもっともっとこのことを強調するべきなんじゃないだろうか?と思った。だいたい、わたしでさえ「あー、そういえばそうだ」って思ったくらいだからね。。

広島の平和記念式典は、8時15分の黙祷前は、献花ばかりで、あわただしいイメージをもっている。が、今日見た長崎の平和祈念式典は、かなりゆったりしていた。「献水」は広島にはない。

あとは黙祷後。各市長が「平和宣言」をするところは一緒。その次の鳩を放つのも同じ。だが、広島の場合は、そのあとに子供が「平和への誓い」を行なう。が、長崎は、被爆者自身の「平和への誓い」だった。テレビを見ながら思ったんだけど、広島って案外、被爆者自身は表に出てこないのね。遺族代表は出てくるけど。それに比べて長崎は被爆者代表と遺族代表が出てくる。わたしはそれぞれ被爆者代表として出てくる人たちを見て「ああ、被爆者はいつかはみな、この世からいなくなるんだなあ」と強く感じた。逆に遺族やわれわれ二世、そして三世は増え続けることだろう。ま、わたし自身は子供はいないけど。あ、これは別に同性愛者だからじゃないからね!同性愛者だって、子供を作ろうと思えば作れるのだ。この世の中には「レズビアンマザー」って呼ばれてる人もいるんだから。あ、あとあんまり聞いたことなかったけど「ゲイファーザー」っていう言葉もあるらしいね。

各市長の「平和宣言」は、広島市長は口調が厳しかったのに対して、長崎市長は穏やかだったな。初めてだからだろうか。そういう意味では、前長崎市長の平和宣言も聞きたかったな。今は既に文字でしか残っていない。

広島平和宣言

長崎平和宣言
2007年

過去の長崎平和宣言

しかし、長崎市は始まってから全ての平和宣言を残しているが、広島は残してないんだな。ちょっと意外だった。

市長挨拶のあとの被爆者代表の平和の誓いは、泣けた。あの語り口からすると、もしかして地元では有名な「語り部」なんじゃないだろうかと思わせるほど、ただひたすら、自身の被爆体験を元にして、原爆の悲惨さについて語っていた。やはり「当事者」が訴えかけるしかないのかな、ってやっぱりわたしは性的少数者だから、ついつい「当事者性」のことを考える。

広島の場合は、このあと総理大臣の挨拶や広島県知事の挨拶や何かがあるんだけど、大抵、県知事の前で放送が終わる。ところが長崎の方は1時間もやっているために、長崎県知事の挨拶や小学生の合唱、総理大臣の挨拶、女子高生の合唱など、広島とは別の面を見せてくれる。なんというか、長崎は「柔らかい」印象を持った。

特に純心女子高校の1年生が歌った合唱曲「折り鶴」は、歌詞の中でいろいろな色の「鶴」が折られる。そして最後に「虹」という文字が出てくる。「虹」というのは「平和」も表しているのよね。わたしにとっては「性の多様性」も表すものだけど。わたしの中でいろんな共通点が見つかる。考えさせられるなあ~。。

しかし、広島、長崎ともどうして総理大臣の言葉は軽く聞こえるのだろうか。しかも、全部とは言わないが、一部は全く一緒の文言だろ、とか。これって、毎年そうなのかな。まぁ国としては、広島も長崎も同じなんだろうけどね。

来年の今ごろはまだ、留学中なので日本にはいない。時差があるからおそらく、その時間に黙祷するのは無理だろう。だけど、8月6日と8月9日は忘れない。来年、63回目の原爆の日は、シドニーから世界平和を願う。
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