11-30 Sun , 2008
明日は「世界エイズデー」
明日、12月1日は言わずと知れた「世界エイズデー」。

この日に向けて、各方面でさまざまな「HIV/AIDSの感染を予防しよう」という呼びかけがなされている。例えば「Yahoo! JAPAN」。いつから始まったのかはよく分からないのだけれど、最近はトップ画面の上の方に「HIV・エイズのことをあなたは知っていますか」とか「1日に4人以上の人が感染しています」などと言った言葉にリンクが張られ、Yahoo!の「レッドリボンキャンペーンのページ」に飛ぶようになっている。

また、TOKYO FM(最近は「FM東京」って言わなくなったのね(^^;)でも「BIBLE Living Together 特集」として明日12月1日から4日の16時30分から16時55分まで「ポエトリー・リーディング Think About AIDS」って番組があるらしい。なお、16日にはイベントもあり、12月9日までリスナーの参加者を募集している。

とまぁ、いろいろあるんだけど。

こないだ、「エイズ動向委員会報告」が発表されたことは、多分、記憶に新しいことだろう。

この結果を見ると、相変わらず男性同性間(MSM:「Man who have Sex with Man(男性とSEXをする人のことで、同性愛者とは限らない)」含む)のHIV感染者数が多い。しかしね、一方、新規AIDS患者数は、実は男性同性間よりも男女間の方が今回は多いのだ(異性間性的接触47件、同性間性的接触44件)。前はどうだったのかとちょっと過去の記録を見てみたんだけど、確かに同性間性的接触が多い報告もある。が、今回のように異性間性的接触の方が多いときだってあるのだ。

「なぜこんなことが起こっているのか?」多分、答えは簡単だろう。男性間(MSM含む)で性的接触をする人は「自分はリスクが高いから、検査に行こう」という考えがある程度浸透しているため、AIDSを発症する前のHIV抗体に感染した時点で分かる人が多いということ。逆に異性間性的接触をする人は「検査をすること」はほとんど考えておらず、AIDSを発症するまでにHIVに感染していることすら分からないのだろう。

このことは非常に危険だとわたしは思う。

今まで「HIV/AIDS」と言えば「男性同性愛者がかかる病気」とされてきた。そのため、男性同性愛者は「ハイリスク・グループ」として、国もその人たちをターゲットにする施策を行なってきたと思う。それゆえ、男性同性愛者(MSM含む)には「HIV検査を受けること」は本当に検査に行っているかどうかはともかく、頭の隅にくらい「そういうものにかかる可能性がある」ということは理解している状況だろう。また、感染者数が多いと言うことで、いろんなサポートが受けられることもある程度、浸透していると思う。

しかし、異性愛者に対する教育はほとんどといって行なわれていないとわたしは思う。この「エイズ動向委員会報告」には、残念ながら「感染者数/検査を受けた人の数」は載っていない。もしこれで、男性同性愛者(MSM含む)の感染者数の割合よりも、異性愛者の割合の方が高ければ、おそらくわたしの推論は正しい。ただ、これについては一端を垣間見ることができる。「献血件数及びHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数」だ。これを見ると10万件当たりの感染件数は、残念ながら上昇の傾向がある。献血をする人の異性愛者、同性愛者の割合は、おそらく、HIV検査を受ける異性愛者、同性愛者の割合よりも、より「この世の中の異性愛者と同性愛者の割合」に近いものになっているだろう。

ということは、国はそろそろ「異性間性的接触」をする異性愛者にもターゲットを広げなければならない頃だろう、ということだ。もちろんこれは今までの「同性間性的接触」をターゲットにするのはやめて、ということではない。もっともっと一般的に強化すべきだ、と言っているのだ。

近年、HIV/AIDSにかけられている予算は減額されている(めんどくさいけど「厚生労働省の予算」についての各ページを丹念に追っていけば分かる)。厚生労働省の予算全体額は平成13年から20年にかけて、ずっと前年比より数%ずつ伸び続けているのにかかわらず、だ。

HIV/AIDSは男性同性愛者のみの問題ではない。AIDSを発症してから分かるのと、HIV感染のときに分かるのでは、(HIV感染からAIDS発症までの時間があるということで)周囲の人に対する影響が違うだろう。ましてや異性愛者は言うまでもなく圧倒的に数が多い。HIVに感染しているとは知らず、不特定多数とSEXを、しかもコンドームなどの予防対策を行なわずしたら、同性愛者間よりも圧倒的に感染者数が増えるのは目に見えている。以前、「感染爆発」という言葉が流行ったことがあったが、あの当時は「男性同性愛者からいつ、異性愛者の感染者数が増えるか」ということがかなり問題視されていた(一方で言うと「不安」をかきたててもいたが)。

ところがその後、異性愛者間では感染者数が激増することはなかったために、知らない間にすっぽり「異性愛者間の感染」ということは、現在では国からも、そして異性愛者の人たちも頭から抜け落ちているようだ。

HIV/AIDSに感染しないためには、まずHIV/AIDSに関する知識が必要なことと、それを「他人事」としない意識が必要だ。

厚生労働省はターゲットを男性同性愛者間(MSM含む)だけでなく、異性愛者間の問題とそろそろ認識すべきときに来ているのではないだろうか。

明日の「世界エイズデー」を前に、こんなことを思っている。
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